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インドでの出来事

10年程前にインド旅行に行った時、場所が場所だけに一度は腹を壊すだろうと思っていた。それは入国したニューデリーで数日過ごしてから最初に移動した先、タージ・マハルのあるアーグラにて見舞われた。
当然ながらタージ・マハルを観光したが、それこそ開館直後から閉館直前まで1日中入り浸っては内部のあちこちを見回っていた。その終盤辺りで既にまずそうな感じだった。要は食事や水ではなく、炎天下での無茶な観光が腹に来てしまったのだ。世界的に有名な観光地だけに、客引きや押し売りによるストレスも大きかったとは思う。
宿で正露丸を飲んでも治らず、結局そのまま次の目的地であるカジュラホに向かった。そこでの宿には何人か日本人がいて、彼らに勧められた医者で薬を処方してもらったら実にあっさりと完治した。

    インド旅行では当然施しを求められるが、正直与えるにしても拒否するにしても、首尾一貫した対応をするのは難しい。どちらを選ぶにしても途中で心が折れそうになるからだ。これも必ず通る道である。

    インド人は、と括るのはあまり好ましくないだろうが、見ず知らずの人間に対し事情も知らずに「ノープロブレム」と連発する傾向が非常に強い。
    ヴァラナシへ向かう列車の中で、昼食にカリープレートを注文する客を真似て自分も頼んだのだが、運悪く手持ちの金銭が細かくなく、20ルピーのカリーに対し100ルピーを出すしかなかった。釣りは後で持ってくるといったが、いつまで経ってもその気配が無い。事情を他の乗組員なり客なりに言っても、そこで「ノープロブレム」の洗礼を浴びる。結局釣りは戻って来なかったが、時間的に追求している余裕も無かった。常に細かい両替は必要というのは常識だが、正にそのとおりだった。

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